
たまに、人生を「一本の道」だと思っている人がいます。
「いやいや、そんなはずないじゃないですか」と思うかもしれないけれど、キャリアの選択肢が「会社」と「会社」の二択だと思っている人って、まだまだ多いですよね。
僕のところにも、そういう相談がよく来ます。
「どうすれば今の会社から抜け出せますか?」
「どうすれば、もっと稼げますか?」
これ、違うんです。
そもそも、あなたが持っている価値って、会社が認めてくれるものじゃない。
あなたの市場価値は、誰かに評価されるのを待つものじゃなくて、自分で作り出すものなんです。
「あなたの市場価値」は誰が証明する?
従来のSES業界って、まさに「あなたの市場価値は会社が決める」という世界だったじゃないですか。
会社があなたを案件にアサインして、スキルシートに書かれた内容をもとに、単価を決める。
で、その単価から会社の取り分が引かれて、あなたの給料が決まる。
これって、冷静に考えると、おかしな話ですよね。
僕たちがやっているエンタメの世界だって、同じような課題を抱えていたんです。
「作品は作ったけれど、どうやってお客さんを集めればいいか分からない」
「チケットは売れたけれど、中間搾取がひどくて、クリエイターにお金が残らない」
これ、全部「仕組み」が古くなっているんです。
会社や業界が用意したレールの上を走る限り、自分の価値を自分で決めることはできない。
でも、それは過去の話。
今は、あなた自身が「物語」を語り、ファンやチームを巻き込み、自分の価値を自分で証明する時代です。
「僕の価値は、僕が証明する」
「僕の価値は、僕が証明する」。
この一文が、ポートフォリオの核になります。
ポートフォリオって、単なる職務経歴書じゃない。
それは、あなたがこれまで生きてきた「物語」であり、あなたがこれから創り出す「未来」への招待状です。
具体的に何をすればいいか。
大事なのは、この3つ。
1. 実績は、物語として語る
「〇〇システムの処理速度を〇〇%改善した」
「運用コストを年間〇〇万円削減した」
これ、すごいことじゃないですか。
でも、これを単なる「事実」として書いても、面談相手は「へぇ」で終わっちゃう。
そうじゃなくて、「どうして、それをやろうと思ったのか」という物語を語ること。
「クライアントが抱えていた『毎週の定例報告でサーバーが落ちる』という課題を解決するために、パフォーマンスチューニングに着手しました。試行錯誤の末、処理速度を70%改善させ、クライアントからは『もう毎週胃が痛くなることはありません』と感謝されました」
どうですか。
面談相手は、あなたの技術力だけでなく、課題解決への情熱や、クライアントへの共感まで感じ取る。
技術の話は、共感を生むためのツールなんです。
2. 失敗を、未来への投資だと語る
僕だって、失敗ばっかりですよ。
でも、失敗したことを隠すなんて、もったいない。
失敗は、次に成功するための「教科書」ですよね。
「〇〇プロジェクトで、設計段階でのコミュニケーション不足が原因で、手戻りが発生しました。この経験から、プロジェクト開始前に必ず『要件定義の共通言語化』を行うようにしました。その結果、以降のプロジェクトでは手戻りが激減し、チーム全体の生産性が向上しました」
この人、すごくないですか。
失敗から逃げずに、そこから学び、チーム全体に貢献している。
企業は「失敗しない人」を探しているんじゃない。「失敗から学べる人」を探している。
正直さ、そして失敗を次に活かす建設的な姿勢こそが、あなたの信用になる。
3. 「未来」を、一緒に創りませんか?と呼びかける
ポートフォリオは、過去の実績を羅列するものではない。
「僕は、こんな未来を創りたいんです。あなたも、一緒にどうですか?」
という、採用活動なんです。
あなたが個人で開発したアプリは、単なる趣味じゃない。
「この分野で、こんな価値を創りたい」というあなたのビジョンなんです。
あなたのGitHubのリポジトリは、単なるコードの置き場所じゃない。
「僕は、こんな風に社会を良くしていきたいんです」という、あなたの思想が詰まった美術館なんです。
まとめ
ポートフォリオとは、あなたの価値を誰かに評価してもらうためのツールじゃない。
あなたの「物語」を語り、「未来を一緒に創る仲間」を見つけるための、最強の武器なんです。
あなたの市場価値は、誰かに決めてもらうものじゃない。
あなたが今から、自分でデザインしていくんです。
さあ、あなたの物語を始めましょう。
