高還元SESの正しい選び方、5つのチェックポイント

SES業界

2025.08.01

はじめに

「高還元SES」という言葉が、まるで魔法のように業界を飛び交っていますよね。でも、ちょっと待ってほしい。その言葉の響きの良さに、僕たちの未来を委ねてしまって本当に大丈夫なのでしょうか。

従来のSESが抱えていた「案件を選べない」「評価が不透明」といった課題から抜け出すために、「高還元」というキーワードに飛びつきたくなる気持ちは痛いほどわかります。しかし、「還元率」という数字だけを追いかけて、気づけばキャリアの迷子になっている。そんなエンジニアを、僕は一人でも減らしたい。

今日は、数あるSES企業の中から、あなたが本当に主役になれる会社を見抜くための「5つのチェックポイント」について、包み隠さずお話しします。これは、ただの会社選びの話じゃない。あなたの市場価値を守り、未来の主導権を握るための戦い方です。

1. その「還元率」、計算式を見せてもらえる?

まず、一番大事なことから。「還元率83%!」みたいな広告を鵜呑みにするのは、今日で終わりです。その計算の『もと』になる数字、つまり「母数」が何なのか。そこをハッキリさせない会社は、ハッキリ言って信用できない。

還元率の計算式を明確に公開しているかどうか。面談の場で給与体系について誠実かつ透明な説明をし、案件に入る前にオープンにしているかどうか。このレベルで情報を開示できない会社に、あなたの大切なキャリアを預けられますか?って話です。

あなたのスキルや努力が、きちんと単価に連動して給与に反映される。そんな、当たり前のことが当たり前に行われる場所を選びましょう。

2. その案件、本当に「あなた」が選んでる?

キャリアのハンドルを自分で握る上で、案件を自分で選べるかどうかは、もう、決定的に重要です。会社の都合で、興味のない案件を押し付けられるなんて、もはや奴隷じゃないですか。そんなの、絶対に間違ってる。

本当にエンジニアをパートナーだと考えている会社なら、全ての案件情報を100%公開し、数万件といった豊富な選択肢の中から、あなたが納得するまで選べる環境を用意しているはずです。

Web開発、インフラ、それともPMか。リモートで働きたいのか。あなたのキャリアプランに沿って、あなたが決める。最終決定権は100%、エンジニアであるあなたにある。この文化がない場所で、あなたの未来が拓けるわけがないんです。

3. その会社、あなたの5年後を一緒に考えてくれる?

目先の給料が高いことは、もちろん大事。でも、それだけじゃ、絶対にダメだ。大事なのは、5年後、10年後。あなたが、今よりもっと価値の高いエンジニアになっているかどうか。そのために、会社が本気でサポートしてくれるのかを見極める必要があります。

  • 資格を取るためのお金を出してくれたり、書籍の購入を補助してくれたり。
  • 専門のキャリアアドバイザーが、あなたの年収アップの実現に向けて本気で併走してくれたり。
  • もっと市場価値を高めるために、上流工程や先端技術の案件に挑戦するチャンスをくれたり。

あなたを「今の労働力」としてしか見ていない会社か。それとも、未来を一緒に創る「パートナー」として見てくれている会社か。その違いは、とてつもなく大きい。

4. その「働きやすさ」、口だけじゃない?

「働きやすさ」なんて、今やどの会社も言いますよね。でも、その中身が重要なんです。

  • リモートワークやフレックスタイムが、ちゃんと機能しているか。
  • 月の残業時間が平均10時間以下に抑えられていて、プライベートも大切にできるか。
  • 年間休日は120日以上あって、有給もちゃんと取れるのか。
  • 副業がOKで、あなたの可能性を広げることを応援してくれるのか。

これらはもはや「福利厚生」という名のプレゼントなんかじゃない。あなたが最高のパフォーマンスを出すための「インフラ」です。困った時に相談できるメンター制度や、合わない営業担当を交代できる仕組みがあるかどうかも、チェックしてみてください。

5. その会社、ちゃんとした「ビジョン」がある?

最後に、これが一番重要かもしれない。その会社は、何のために存在するのか。ただエンジニアを派遣して儲けることしか考えていないのか。それとも、日本のIT業界が抱える「多重下請け」みたいな根深い問題を本気で解決しようとしているのか。

創業者がどんな想いで会社を立ち上げ、エンジニアとどんな未来を築きたいと本気で考えているのか。経営が安定しているのは大前提として、エンジニアの声をちゃんと吸い上げて、制度や環境をアップデートし続けているか。どうせ働くなら、デカい夢を追いかけている船に乗りたいじゃないですか。

最後に:搾取される側で終わるな

今日お話しした5つのポイントは、単なるノウハウではありません。それは、エンジニアが「会社に使われる存在」から脱却し、「会社を使いこなす存在」になるための武器です。

この記事を読んで、「もっと具体的な話を聞いてみたい」「今の自分の状況を、一度ぶつけてみたい」そう感じたあなたは、もう、未来を変えるための一歩を踏み出しています。

僕たちは、いつでも話を聞く準備ができています。これは「面接」なんかじゃありません。日本のIT業界の未来を、もっと面白くするための「作戦会議」です。あなたからの挑戦を、待っています。

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